JRには往復分の乗車券を同時に購入すると、新幹線にも安く乗れる割引制度があります。
それが「往復割引」。
「この往復割引についてもっと詳しく知りたい!」
「往復割引で新幹線に乗ると、本当にお得なのか?」という方へ!
まず、往復割引の条件やきっぷの購入方法など基本を詳しくご紹介します。
さらに、新幹線料金が安くなる往復割引の活用法を解説。
そして、往復割引よりもっとお得な方法をご紹介します!
同じ区間を往復+宿泊する方は、往復割引よりこちらが安いです!
往復割引が使えない東京-新大阪などの区間で使っても安いです!
例えば、東京-名古屋なら約6,000円、東京-京都・大阪は7,000円~8,000円お得です!
目次
JR・新幹線「往復割引」の基本まとめ
新幹線で往復割引を利用するには、どんな条件をクリアしていればいいのか?
対象の距離・区間、割引率や計算方法などの基本を解説します。
この往復割引を簡単に説明するなら…
- 片道601キロ以上の区間で往復分の乗車券を同時に購入
- ⇒これで乗車券(運賃部分)が1割引
- 窓口・券売機・ネットで乗車当日でも購入可能
- 通年で割引適用
- 普通車指定席・自由席・グリーン車の全て乗車可
- えきねっと・スマートEX等で予約するとお得
では、この往復割引について、詳しくご紹介しましょう!
往復割引の距離は601キロ以上
まず、往復割引の条件の1つに、乗車区間の距離があります。
往復割引になるのは、片道の営業キロ数が601キロ以上の区間での往復のみ。
この601キロ以上の区間の乗車券を往復分同時に購入すると割引になります。
参考JR西日本「往復割引乗車券」
例えば、東京-新神戸間の距離は589.5キロなので、往復分の乗車券を同時に購入しても往復割引にはなりません。
しかし、片道約644.3キロある東京-姫路なら往復割引になります。
往復割引きっぷの有効期間と購入時期
JRの乗車券には有効期間があります。
有効期間は乗車する距離によって違い、往復割引が適用になる601キロ~800キロは5日間、801キロから1,000キロまでは6日間と決められています。(1,001キロ以上は200キロごとに1日加算)
そして、往復乗車券の有効期間はその2倍。
800キロまでは10日間、1,000キロまでは12日間です。
東京-岡山は732.9キロなので、往復乗車券の有効期間は10日。
東京-広島なら894.2キロなので、往復乗車券の有効期間は12日間です。
新幹線・JR往復割引の期間・距離※有効期間は何日間?距離は何キロ?
割引になるのは「乗車券」の1割!特急券は?
往復割引で割引になるのは乗車券のみで、割引率は1割引。
新幹線のきっぷは乗車券+特急券で構成されますが、このうち割引の対象は乗車券のみ。
例えば、新横浜-広島なら、乗車券11,550円が往復割引で1割引になり10,390円に。
往復割引では特急券は割引になりません。
普通車でもグリーン車でも自由席でも、どの座席に乗っても割引額は同じです。
往復割引きっぷの買い方
往復割引のきっぷは、どのように購入すればいいのでしょうか?
まず、往復割引きっぷは往復同じ区間でのきっぷ購入が条件です。
片道601キロ以上の区間の乗車券を、往復分同時に購入した時に割引が適用されます。
なお、新幹線の乗車に必要な特急券は同時に買っても別で買っても構いません。
指定席・自由席・グリーン車などの特急券は、行きの分と帰りの分を分けて買うこともできます。
先に「往復乗車券と行きの特急券」を購入し、帰りの列車に乗る前に帰りの特急券を購入しても往復割引は使えます。
きっぷの購入は券売機・ネット予約でもOK
新幹線の往復割引きっぷを購入できるのは、駅の窓口や旅行会社の窓口。
新幹線の通常きっぷが購入できる場所なら間違いなく購入することができます。
そして、JR東日本の「えきねっと」やJR西日本の「e5489」などを利用してネットで往復割引乗車券を購入することもできます。
また、後ほどご紹介しますが、東海道・山陽新幹線はエクスプレス予約・スマートEXで「往復割引」商品をネット予約することができます。
あくまでも、必要なのは往復分の乗車券を同時に購入すること。
券売機でもきっぷは購入できますが、距離の条件を満たせば往復割引になるので、必ず往復分の乗車券を同時に購入しましょう。
乗継ぎ・乗り換えのある往復割引きっぷの購入方法
新幹線と在来線特急を乗り継いで移動する区間があります。
例えば、東京から松山へ行く場合、岡山まで新幹線を利用し、岡山から在来線特急を利用します。
この時、乗車券は新幹線と在来線区間は同時に往復分購入。
新幹線・在来線を切り離して購入する必要はありません。
東京-松山なら、別々で購入すると岡山-松山は往復割引の適用にはなりませんが、東京-松山分の乗車券を同時に購入してしまえば、その全区間分が往復割引の対象です。
しかも、新幹線と特急を乗り継ぐと、乗継割引の適用もあります。
新幹線の往復割引きっぷ買い方【えきねっと・スマートEX】ネットで買える?
往復割引料金の計算方法・計算サイトは?
往復割引の利用を考えた時、まず知りたいのは料金ですね。
次に、料金の計算方法と、料金がわかるサイトをご紹介します。
往復割引料金の計算方法
往復割引が適用されたきっぷの料金は以下のように計算します。
乗車券×0.9(1円単位の端数切り捨て)+特急券料金=往復割引の片道料金
乗車券と特急券の料金は、ヤフー路線情報などで出発地・到着地を入力すれば調べることができますので、往復割引適用時の新幹線料金は簡単に計算することができます。
計算サイトは?
東海道・山陽新幹線の区間であれば、スマートEX運賃ナビを使って同じように発駅・着駅を選択すると、往復割引適用時の料金を簡単にチェックすることができます。
また、その他に往復割引利用時の料金を、自動で計算してくれるサイトをご紹介します。
参考サイト | 路線 |
---|---|
駅探 | 全国OK |
スマートEX運賃ナビ | 東海道・山陽・九州新幹線 |
えきねっと | 東北・北海道・秋田・山形・上越・北陸新幹線 |
この3つで乗車駅・降車駅を入力して検索すると、往復割引利用時の料金が表示されます。
※「えきねっと」のみ、往復の日付を変えて検索できるので、乗車日の正確な料金がわかります。
往復割引の運賃・料金表はないの?
全国のJRの公式サイトを調べてみても、往復割引の料金表は見当たりません。
しかし、東海道・山陽・九州新幹線は、スマートEXで「スマートEXサービス(往復割引)」の料金表を見ることができます。
この料金は片道200円安くなっていますので、これに200円プラスした料金が往復割引乗車券利用時の料金。
そして、指定席は繁忙期はさらに+200円、最繁忙期は400円、閑散期は-200円です。
(東海道・山陽・九州新幹線を跨る区間は、繁忙期・最繁忙期は+400円~800円)
なお、東北・北海道・秋田・山形・上越・北陸新幹線は、「えきねっと」で往復の検索をすると、往復割引の料金がわかります。
往復割引と早割はどちらが安い?
新幹線は往復割引でも安くなりますが、早めに購入すると安いチケットもあります。
この「早割」と往復割引では、どちらが安いのか?
「EX早特」など早割が安い!
往復割引を活用するよりも、基本的に早割の方が料金は安いです。
例えば、東京-広島で「EX予約サービス(往復割引)」を使うと片道料金は17,990円。
しかし、この区間では、エクスプレス予約・スマートEXの「EX早特7」なら平日16,190円、土休日15,790円とさらに安いです。
そして、もっと安いのが「EX早特21ワイド」で片道料金は15,000円。
これは東海道・山陽新幹線に限らず、他の新幹線でも同じ。
東北・北海道・秋田新幹線でも、「トクだ値14」など早割を利用した方が安いです。
区間 | 往復割引料金(片道) | 早割 |
---|---|---|
東京-岡山 | 16,700円 | 13,900円(EX早特21ワイド) |
東京-広島 | 18,570円 | 15,000円(EX早特21ワイド) |
東京-博多 | 22,400円 | 17,000円(EX早特21ワイド) |
博多-新大阪 | 15,040円 | 13,100円(スーパー早特きっぷ) |
東京-新青森 | 16,630円 | 13,090円(トクだ値14) |
往復割引では、乗車券しか割引にならず、特急券は割引対象外です。
安くなるのは片道で1,000円前後、往復でも2,000円~3,000円程度です。
新幹線【早割×往復割引】EX早特・トクだ値など料金比較!併用はできる?
新幹線の早割【一覧】予約はいつから?安い?みどりの窓口で買える?
宿泊するなら新幹線パックはもっと安い!
往復割引の適用区間は、新幹線でも片道約3時間、往復6時間以上。
日帰りする方もいるかもしれませんが、多くの方は宿泊するでしょう。
そんな時には、往復割引や早割よりも、さらに安いのが新幹線ホテルパック。
例えば、東京-広島を最も安いEX早特21ワイドで往復し、1泊6,300円で宿泊します。
この1泊2日の往復+宿泊の合計料金は36,300円です。
ところが、これと同じ新幹線・ホテルをパックで予約すると、往復+1泊の合計料金は32,900円。
宿泊費を除いた新幹線の片道料金は、実質13,300円と超格安です!
同一区間での往復+宿泊なら往復割引よりこれが安い!
前日までに新幹線とホテルをネットで同時予約するとお得。
新幹線のチケットは、駅の券売機で受取り可能。
特に東海道・山陽新幹線では他の格安きっぷよりも安いです。
JR・新幹線の往復割引きっぷついて詳しく(Q&A)
スマートEXで往復割引は使える?
東海道・山陽新幹線は、スマートEXを使って座席を予約することができます。
普通に片道分を予約すれば、通常きっぷの料金より200円安くなります。
そして、スマートEXには「スマートEXサービス(往復割引)」というチケットがあり、片道601キロ以上の区間で利用可能。
往復分を同時に予約すると、料金は往復割引乗車券を駅で購入した金額より、さらに片道200円安くなります。
例えば、東京-広島の普通車指定席通常きっぷの料金は片道19,760円です。
これが往復割引乗車券を使うと、片道18,570円になります。
しかし、「スマートEXサービス(往復割引)」なら片道料金は18,370円です。
エクスプレス予約の往復割引は安い?
東海道・山陽新幹線では、もう一つエクスプレス予約を利用することができます。
例えば、東京-広島なら片道料金は19,170円。
そして、エクスプレス予約にも「EX予約サービス(往復割引)」は、往復割引が使える区間で往復分を同時予約するとさらに料金は安くなります。
これを利用すると、東京-広島の片道料金は17,990円になります。
「こだま」でも使える?「こだま指定席きっぷ」とどちらが安い?
もちろん「こだま」でも条件を満たせば利用することができます。
山陽新幹線の「こだま」最長区間(新大阪~博多)では往復割引は利用可能。
乗車券は1割引きになり、指定席14,300円、自由席13,770円。
しかし、この区間では「こだま指定席きっぷ」は利用できません。
この区間で安いのは「バリ得こだま」で11,300円なので、往復割引よりお得です。
学割とは併用できる?
学生に限っては、新幹線で学割を利用することもできます。
片道601キロ以上の区間であれば、両方の条件を満たせば併用が可能。
乗車券の料金は、往復割引で1割引、さらに学割で2割引になります。
東京-広島なら片道料金は16,430円なので、EX予約サービス(往復割引)より安いです。
新幹線の往復割引と学割は併用できる!割引の条件は?料金は安い?
途中下車・乗車も可能?
往復割引は他の格安なきっぷとは違い、途中下車・途中乗車も可能です。
例えば、仙台から京都へ行く時、仙台-京都間の乗車券があれば、一度東京で降りて宿泊し、翌日その乗車券を再度利用することも可能。
広島から東京へ行く時、一度京都で降りて観光に行くこともできます。
ただし、この場合、特急券は途中下車後には無効になってしまいますので、広島-京都、京都-東京と分けて購入しましょう。
往復割引きっぷの使い方は?
往復分の乗車券さえ購入していれば、特急券を往復分同時に買っても問題ありません。
帰りの列車の時間が決まらない時には、帰り分の特急券は後で買っても問題ありません。
もし、事前に往復分の乗車券・特急券を買っている場合、行きには行きの乗車券・特急券を使い、帰りには帰りの乗車券・特急券を使います。
きっぷの発駅・着駅を確認して改札へ通しましょう。
日帰りで往復割引を使うのはお得?
往復割引は日帰りで利用しても、条件を満たせば適用されます。
例えば、新大阪~博多なら、「のぞみ」で片道2時間30分なので日帰りの往復も可能です。
しかし、日帰りで新幹線を利用する時も、往復割引より「早特」がお得。
そして、区間によっては「日帰りツアー」もあり、料金も安いです!
新幹線日帰りで「往復割引」は使える?日帰りの往復割引はお得?
お盆・年末年始や繁忙期の料金は?
新幹線の指定席料金は、繁忙期+200円、最繁忙期+400円、閑散期-200円です。
(東海道・山陽・九州新幹線を跨る区間は、繁忙期・最繁忙期は+400円~800円、閑散期は-400円)
そして、往復割引利用時も、指定席の料金は同じように変わります。
なお、自由席の料金は、年間通して同じなので、往復割引利用時も変わりません。
年末年始・GW・お盆や繁忙期には新幹線の往復割引料金はどう変わる?
JRの往復割引は、片道601km以上の区間で往復乗車券を同時に購入することで、乗車券部分が10%割引になりお得です。
しかし、以下の点に注意が必要です
- 特急券は割引対象外なので、割引額は往復で2,000円〜3,000円程度。
- 早割やEX早特などのネット予約サービスの方が、多くの区間で安くなります。
- 宿泊を伴う旅行の場合、新幹線パックを利用するとさらにお得。
往復割引も安くなりますが、早めに予約できる場合や、往復+宿泊する場合など、さらに安い選択肢がないか確認することをおすすめします!